埼玉医科大学が主導する研究チームは東北大学などと共同でミトコンドリア病の新たな原因遺伝子を発見することに成功しました。まだよく分っていない原因の全容解明に向けて前進したことになります。

 ミトコンドリア病は細胞内でエネルギーを作り出すミトコンドリアが機能障害を起こす遺伝性の難病で、日本には700人ほどの患者がいることが確認されています。症例として重いもののみが認知されていますが、軽微なものも含めるとより多くの患者がいることが予想されています。症状は全身の様々な器官に現れ、進行が早く現在は有効な治療法はありません。原因遺伝子を特定することができれば診断の高精度化や治療法の開発にもつなげられるのですが、ミトコンドリア病の原因遺伝子は数多く存在すると考えられています。既に250もの原因遺伝子が発見されていますが、全ての特定には至っていません。

 今回、研究チームは142名の患者を対象にDNA解析を行いました。その結果、約35%の患者に共通する遺伝子に異常が存在していました。そしてこの中にはこれまで知られていなかった3つの遺伝子が含まれていたのです。さらに既存の遺伝子についてもこれまでには見られないタイプの変異が多く含まれていることも明らかになりました。

 病気の治療法の開発のためには、原因遺伝子を特定することが極めて重要な一歩となります。複数の遺伝子の異常が複雑に絡み合うことで発症するミトコンドリア病も、それらすべてを特定することができれば治療法確立の方針を明確にすることができます。今回得られた成果はその全容解明に貢献するものだと言えます。疾患の理解や診断技術の向上、さらには治療法の確立につながるものとなるでしょう。

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大学ジャーナルオンライン編集部

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