神経変性疾患は、ヒトの体内の神経細胞が変性・脱落にすることにより生じる病気です。
神経変性疾患の中には、今回の研究対象である筋萎縮性側索硬化症(ALS)だけでなく、アルツハイマー病、パーキンソン病などがあります。ALSにおいて、運動ニューロン内にタンパク質の断片の塊(封入体)ができその中にTDP43の断片が含まれることが知られています。

 TDP43の断片の一つであるTDP25が凝集体を作りますが、その凝集体形成をRNAが抑制していることを、北海道大学大学院先端生命科学研究院細胞機能科学分野(金城政孝教授)北村朗助教を中心としたグループが世界で初めて発見しました。このRNAは、他のALS原因遺伝子産物SOD1やFUS/TLSを抑制する効果は見られず、TDP25に特異的であることも示されました。さらに、TDP43を核内にとどめることにより、神経細胞死を免れる可能性を示しました。

 今回の研究により、TDP43のRNAを介した凝集体及び封入体形成機構が明らかにされました。これまでタンパク質の凝集体形成は単独で起こるものとされてきましたが、今回の研究によりRNAが積極的に関与していることが明らかとなり、特定の配列を持つRNAによりALSの進行抑制薬を作成できるのではないかと期待されています。

この記事が気に入ったらおねがいします。

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。