沖縄科学技術大学院大学(OIST)マリンゲノミックスユニットの新里宙也研究員らは、琉球列島各地で採取した数百個体のサンゴのゲノムを解読し、サンゴの集団構造を高精度で解析しました。

 サンゴの幼生は、海流によって遠くへ運ばれ、どこへ行くのかが詳細に解明されていませんでした。また、沖縄周辺のサンゴ礁がどのように形成されたか、どこのサンゴの供給源となっているかといった情報は、サンゴ礁の保護に大変重要です。近年の環境の変動(地球温暖化など)によりサンゴ礁は危機的状況にあり、世界規模で大打撃を受ける問題(1998年白化現象)もありました。

 ゲノム解析により、サンゴは4つのグループ(沖縄本島・慶良間諸島・八重山南・北)に分類することができました。また、4つのグループでのサンゴの行き来は予想よりも少ないことが分かりました。沖縄本島のコユビミドリイシは、八重山諸島から影響を強く受けていること、八重山諸島や沖縄本島から、慶良間諸島への過去の加入が考えられます。慶良間諸島のコユビミドリイシは他と比較して高い遺伝的多様性を保っており、歴史的にみると「サンゴのるつぼ」の可能性があります。

 今回の研究により、サンゴの幼生が従来考えられてきたより分散していないことが分かり、打撃を受けた後元通りになってきたサンゴも、自ら復活したと考えられます。沖縄のサンゴ礁保全に今回の研究が役に立つことが期待され、また沖縄県以外の世界中のサンゴの広がりがどう形成されているかの調査が待たれています。

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大学ジャーナルオンライン編集部

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