大学入試センター試験に代わって2020年度から導入予定の新テスト「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」で、文部科学省は当面、試験の複数回実施を見送る方針を専門家会議に示しました。複数回実施は知識偏重を脱する新試験の目玉の1つでしたが、高校教育日程への影響に配慮したためで、導入時期の検討は引き続き進めるとしています。

 文科省によると、試験の複数回実施は従来の知識偏重から、考える力を測り、一発勝負の方式を改める柱として検討されてきました。新たに記述式問題を採用することで、マークシート方式だけによる一発勝負の弊害がある程度、緩和されるとして、当分の間見送る考えを示しました。

 専門家会議は新テストについて、センター試験と同様のマーク式に加え、国語、数学で記述式試験を先行して実施する方向を打ち出しています。センター試験と同じ1月中旬にマーク式の試験を実施した場合、採点期間を考慮すると記述式試験を12月に行う必要が出てきます。
これを複数回、実施するとなると、秋以前にも試験を行わなければならず、高校の授業や部活動、試験会場となる大学に大きな影響が出ることは避けられません。さらに複数回実施する試験問題の難易度をそろえ、適切な採点をするのも難しいと判断、当面は実施せずに検討を続ける方針にしたもようです。
記述式試験の採点期間については、80字で解答する国語の問題で4日程度、数式などを書き込む数学の問題で1日程度とする試算を示しました。これらを組み合わせた総採点期間は10日から30日程度必要になるとしています。

 文科省は専門家会議を月に2度ほど開き、新テストの中身を詰め、3月末までに最終まとめを発表する考えです。

参考:【文部科学省】高大接続システム改革会議(第10回)配布資料

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大学ジャーナルオンライン編集部

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