九州大学が開発した第3世代有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)発光材の実用化に、九州大学発のベンチャー企業キューラックス(福岡市、佐保井久理須社長)が取り組むことになりました。産学連携ベンチャーファンドなどから総額15億円の資金を調達、九州大学から技術特許に関する実施許諾を得ており、米アップル社が2018年に採用を計画している有機ディスプレイへの売り込みも視野に入れています。

 九州大学によると、この有機EL発光材はTADF(熱活性化遅延蛍光)と呼ばれ、九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センター長の安達千波矢主幹教授が2012年、開発しました。レアメタルを使わずにエネルーギーギャップを小さくする分子設計で、電子を光へほぼ100%の効率で変換できます。これにより、レアメタルを使う第2世代よりも低コストでの発光が可能となりました。さらに、蛍光分子からの発光効率も100%に高めることに成功しています。

 TADFが実用化されれば、高効率、低コストだけでなく、高純度の発色と高強度の発光を実現します。このため、日中の野外でも鮮やかな映像を楽しめ、携帯端末の性能向上に大きく寄与すると予想されています。省エネ効果も高く、携帯機器の長時間使用にも道を開きます。
キューラックスは2015年、安達教授らが設立した技術開発型のベンチャー企業。安達教授が技術アドバイザーとして参画しているほか、九州大学最先端有機光エレクトロニクス研究センターでTADF開発に関わった技術者らが実用化に取り組みます。

九州大学
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大学ジャーナルオンライン編集部

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