脳波ではなく、心電図をもとにした心拍数の変動からてんかんの発作を高い精度で予知することに、熊本大学、京都大学、東京医科歯科大学の研究グループが成功しました。これを活用した予知装置の開発に入っており、実用化されれば患者自身が事前に安全確保の対策を取れるようになります。

 研究には、熊本大学大学院の山川俊貴テニュアトラック助教、京都大学大学院の藤原幸一助教、東京医科歯科大学大学院の宮島美穂助教らのグループが当たりました。

 熊本大学によると、てんかん発作の予知に心拍数を用いる方法は以前からありましたが、平常時と発作前の差が分析しにくく、個人差も大きいため、実用化が難しいとされてきました。そこで、研究グループは多変量統計的プロセス管理という工学的手法を新たに導入し、てんかん検査で入院した患者14人の心電図データを解析したところ、91%という高い精度で発作を予知することに成功しました。
研究チームは開発中の予知装置を東京医科歯科大学医学部付属病院や国立精神・神経医療研究センター病院などの複数の医療機関で臨床研究しています。

 てんかんは脳の慢性的な疾患で、脳の神経細胞ニューロンに発生する激しい電気的興奮により、発作を繰り返します。抗てんかん薬の服用で発作を抑え、日常生活を送ることができますが、中には薬が効きにくい難治性てんかんもあり、発作の予知が課題となっていました。
研究成果は米科学誌「トランザクション・オン・バイオメディカル・エンジニアリング」電子版に掲載されました。

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