九州大学の物理学部門・山岡助教を中心としたグループは、小惑星(61189)にプロ野球の福岡ソフトバンクホークス会長である王貞治さんを記念して”Ohsadaharu”と命名することを提案し、国際天文学連合が発行する小惑星回報にて命名が公表されました

“Ohsadaharu”と名づけた小惑星(61189)は、地球に衝突する危険がある小惑星を発見・追跡する活動を行っている「NPO法人日本スペースガード協会」が運営する岡山県井原市の美星スペースガードセンターで、2000年7月8日に発見されたものです。

 今回の命名は、山岡助教が主催する大人の科学サロン「サイエンスパブ」で福岡ゆかりの天体名をつけることはできないかと話題になり、王さんの名前が上がったのがきっかけです。小惑星観測チームがこれまでに発見した数百にのぼる小惑星の中で、この小惑星(61189)に王さんの名前をつけたのは、小惑星が発見された時につけられる確定番号“61189”に、王さんがジャイアンツ時代につけていた背番号「1」、ホークスや日本代表監督としてつけていた背番号「89」がいずれも含まれていたことと、小惑星観測チームの名称BATTeRSと世界一のホームランバッターの王さんにちなんで命名されました。

 小惑星”Ohsadaharu”は、火星と木星の間にあるメインベルト(小惑星帯)の一員で、太陽を一回りするのに3年8ヶ月ほどかかります。肉眼や望遠鏡を覗いて見つけるのは不可能ですが、大き目の望遠鏡を使えばその姿を撮影することも難しくはないそうです。小惑星への命名を受け、王貞治さんは、「野球も不滅だけど、天文学はもっと不滅だよね」「ぼくの名前が付くことで、天文学に興味をもつ子どもたちが増えたらうれしい」と話しました。

大学ジャーナルオンライン編集部

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