南太平洋のニューカレドニア島に暮らし、小枝などの道具を使って昆虫を獲る「カレドニアガラス」の嘴が道具を使えるよう特殊な形に進化していることを、慶應義塾大学などの国際共同研究チームが発見しました。ヒトが道具を使うようになった背景にはそれに適した手の形態があるとされてきましたが、今回の発見はヒト以外の動物でも同様であることを実証したものといえます。研究成果は英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」電子版に掲載されました。

 発見したのは、慶應義塾大学大学院生の松井大さん、伊澤栄一慶應義塾大学文学部准教授、山階鳥類研究所の山崎剛史研究員ら日本、米国、ドイツ、ニュージーランドによる国際共同研究チーム。

 慶應義塾大学によると、国際共同研究チームはカレドニアガラスをはじめとするカラス10種とキツツキ1種の標本を使用し、CT画像でデジタル3次元化した頭部の形態を比較しました。一般にカラスの下嘴は下方向に曲がっていますが、カレドニアガラスだけがしゃくれ上がっていました。その結果、カレドニアガラスの嘴は顔の正面に向かい、真っ直ぐに伸び、上下の噛み合わせが平面になります。目でよく見て道具を強く握るのに非常に適しており、嘴と道具を一体化させて操作できることが分かりました。

 国際共同研究チームはカレドニアガラスの嘴が道具の使用に適した形に進化していたため、小枝などの道具を活用するようになったと分析。ヒトの道具使用と手の形と同様の関係が、進化の共通原理として働いているとみています。

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大学ジャーナルオンライン編集部

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