2016年3月19日、京都造形芸術大学(京都府京都市)において学位授与式・卒業式が挙行され、最高齢在学生の平田繁實(ひらた しげみ)さんが“96歳と200日”で卒業しました。平田さんは大好きな陶芸の道を究めようと2005年、当時85歳で芸術学部 通信教育部 美術科 陶芸コースに入学。自宅でのリポート作成や約200日間の通学などをこなし、11年がかりで単位を全て取得。卒業証書を受け取った平田さんは「感激した。支えてくれた人たちや元気に生きられたことに感謝している」と笑顔で話しました。

 平田さんは1919年9月、広島県生まれ。戦時中は海軍の仕事に従事し、戦後は普通文官試験や国家公務員試験に合格、労働福祉事業団(現 独立行政法人労働者健康福祉機構)に勤務し、労災病院の事務局長まで務めて定年退職。定年後に地元の陶芸教室に通い始め、その仲間に勧められ、2005年4月に「もっと腕を上げたい」と同大学に入学しました。

 趣味の盆栽や庭いじりをしながら、自宅でレポートなどの課題に取り組むテキスト科目48単位と、教室で授業を受けるスクーリング科目83単位を取得し、卒業要件の124単位をすべてクリア。卒業制作では、「夫婦や友達など対人関係はつらいこともあるが、それを乗り越えられると幸せになる」との思いを込めた「語らい」と名付けた2つのつぼを制作しました。
現在も毎日自動車を運転し、趣味の囲碁は五段。子供2人、孫5人、ひ孫4人。12年前に妻を亡くしており、卒業式当日は香川県高松市からひとりで出席しました。

 卒業式では、尾池和夫学長から直々に卒業証書を授与された平田さんに会場から惜しみない拍手が送られ、学長は「人生の大先輩に私たちも大きな勇気を与えられた。できることなら大学院まで進学していただきたい。」と祝福しました。

京都造形芸術大学
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学年・学科の枠にとらわれない実践的な教育で「社会を動かすクリエイター」を育成

13学科22コースを有する国内最大規模の総合芸術大学。「芸術立国」という建学精神のもと、アート・デザインの力で社会を動かす人材を育成することを教育目標に、社会と芸術の関わりを重視し、「生きる基礎力をつける」「実社会を学びの場にする」ことを機軸にした人間力教育を[…]

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大学ジャーナルオンライン編集部

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