地域密着の課題をチームで研究 自治体職員による説明会を実施 金沢工業大学 金沢工業大学は、2年次前期の必修科目「プロジェクトデザインⅡ(※)」で取り組む研究課題について、野々市市、金沢市の自治体職員から直接説明を受ける説明会を開催した。約400名の学生が参加し、いずれの教室も満席だった。

 同大学は、平成25年度に文部科学省の「地(知)の拠点整備事業」に採択され、地域志向型の教育改革を進めている。この活動の一環として、連携協定を締結している野々市市、金沢市から研究テーマの提供を毎年受けている。

 今回提供されたテーマを見ると、野々市市からは「ごみ減量化への効果的な取り組みの探索(環境安全課)」、「統計調査の結果から野々市市の産業の未来を考える(企画課)」、「のっティ(コミュニティバス)を活用して工大生に野々市市をもっと知ってもらおう(地域振興課)」、「安全で快適な自転車交通ネットワークの構築(建設課)」、「県道窪野々市線の安全・安心な道路空間の創出(建設課)」というテーマが、そして金沢市からは「金沢職人大学校の活性化策(歴史建造物整備課、歴史都市推進課)」、「江戸時代末期の建築と推定されている森紙店の活用策(文化財保護課)」、「里山の活性化に向けて(農業振興課)」、「学生とつくる魅力的なまち(市民協働推進課)」、「これからの金沢の地域福祉(福祉総務課)」、「地球温暖化の現状と対策(環境政策課)」といったテーマが並び、文字通り地域に密着した課題となっている。

 学生は今後、取り組むテーマを選定し、中間質疑会(5月)、中間評価会(6月)を経て8月5日に野々市市役所、金沢市役所の各担当部署へ成果報告を行う予定だ。

※「プロジェクトデザイン」は同大学のカリキュラムの主柱に置かれた必修科目。学生は5~6名でチームを組み、問題発見から解決にいたる過程・方法をチームで実践しながら学ぶ。1人では生み出すことが困難な新たな発想や価値も、チームを組み、アイデアを出しあうことで創り出すことが可能となる。こうした技術者の創造のプロセスを身につけていることが同大学の就職の強さに結びついている。

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