東京大学地震研究所は、熊本地震が九州を代表する活断層の布田川、日奈久両断層帯の近くで発生したのを受け、両断層帯の地学的な特徴を公表した。政府の地震調査委員会での議論の一助とするために作成したもので、熊本地震と両断層帯との関係についても言及している。

 東大学地震研によると、日奈久断層帯は熊本県益城町木山付近から芦北町を経て、八代海南部に至る延長81キロ。地質構造などの特徴から、北から順に高野・白旗区間(16キロ)、日奈久区間(40キロ)、八代海区間(30キロ)に区分される。

 日奈久区間は断層沿いに谷や尾根の明瞭な右横ずれがあるのに対し、今回の地震発生域の1つである高野・白旗区間はほぼ垂直な断層面を持っている。布田川断層帯は北側が低下する構造境界で、日奈久区間は西側に低下した構造、高野・白旗区間は複雑な地下構造をしている。区間ごとの断層構造の違いは、成熟度が異なるためとみられている。日奈久断層帯ではこれまで、多くの古地震調査があり、高野・白旗区間で1,200~1,600年前に最新の古地震があったとされている。他の2区間では最新活動がもっと古いとみられている。

 地震研は、熊本地震の多くが日奈久断層帯の高野・白旗区間沿いで発生しているように見えるとし、正確な余震の位置を確定する一方、地表に出現した断層の分布を調査し、地震の性質を明らかにする必要があるとしている。さらに、一部が布田川断層帯で発生しているとのデータがあることから、この点についても解明していくべきとした。

 気象庁は14日に発生したマグニチュード6.5の地震を前震、16日に起きたマグニチュード7.3の地震を本震とみている。地震調査委員会は前震が日奈久断層帯、本震が布田川断層帯の活動によると評価している。

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大学ジャーナルオンライン編集部

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