大阪大学大学院工学研究科の山内和人教授らの研究グループは、X線のビームサイズを自由に制御できる方法を世界で初めて開発し、従来にはない多機能型X線顕微鏡の実現に道を開いた。この、北海道大学及び理化学研究所との共同研究の成果は、本年4月Scientific Reports誌で公開された。

 レントゲン装置に代表されるX線分析は、医療分野のみならず様々な研究や産業分野で広く利用されている。しかしX線分析・X線顕微鏡には、電子顕微鏡が有するような測定の柔軟性に乏しいという欠点があった。つまりX線の場合、一つの装置ではある決められた集光ビームしか照射できない為、一台の装置で可能な解析範囲は極めて限定されたものにならざるをえないのである。
本研究では、自由自在に形状を変えられる形状可変鏡を新たに開発する事により、この問題の解決を図った。4枚の形状可変鏡を組み合わせ、これらの形状を変えるだけで、開口数の異なる集光光学系を作り出し、集光スポットサイズを制御する事に初めて成功したのである。

 今回の成功で真っ先に期待されるのが多機能型X線顕微鏡の実現で、1台の実験装置で試料位置を含む実験セットアップを変える事無く、様々なX線分析・X線顕微鏡を実施する事が可能になる。これ以外にも、世界に2台しかない(日本、米国)X線自由電子レーザーや各国が競って開発を進める超低エミッタンス放射光源のような先端的なX線光源において、貴重なビームタイム中に様々な分析法で資料を調べ尽す、新しい効率的な実験スタイルの導入が期待される。

大阪大学
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大学ジャーナルオンライン編集部

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