文部科学省の諮問機関である中央教育審議会の作業部会は、法科大学院の受験者全員に課せられている適性試験を今後、任意化する報告書をまとめた。受験者数の低迷から募集停止が相次ぐ法科大学院側の要望に沿う措置で、受験者の門戸を広げるのが狙い。

 文部科学省によると、適性試験を任意化する時期については未定だが、2018年度から各大学院の裁量に任せる案が出ている。適性試験を見送った場合、各大学院は学力を客観的に判断する筆記試験を実施することになる。作業部会は報告書の中で筆記試験の指針を国が作成することも提案した。

 適性試験は法科大学院制度が始まった当時から義務づけられ、現在は5~6月に実施されている。法曹関係者らでつくる適性試験管理委員会が運営し、法律の知識ではなく、思考力や表現力を問う内容の出題で、秋から冬に実施される小論文、面接などによる入試と合わせ、合否判定の材料になっている。

 しかし、試験時期が早く、受験料が2万円以上かかることから、各大学院には受験者確保の妨げになっていると指摘する声がある。制度が変更され、適性試験を実施しない大学院が増えれば、適性試験が廃止されることも考えられる。
法科大学院は法曹人口の拡大を目指して導入されたが、任期の低下で定員割れする大学院が続出。2015年度の受験者は54校で9,351人とピーク時の4分の1以下に落ち込んでいる。

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大学ジャーナルオンライン編集部

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