改正学校教育法の施行で高校専攻科の修了者に4月から大学編入学資格が認められた。専攻科は高校卒業者を対象とし、より高度な教育をするために設けられた過程で、短大や高等専門学校、修業年限2年以上の専門学校卒業者と同等に、大学2年生以上に編入できることで、進路選択の幅が大きく広がることになる。

文部科学省によると、大学編入学資格を与えられるのは、
■修業年限が2年以上
■教員の半数以上が専攻科の専任
■課程修了要件が62単位以上
■専攻科専用の教室や施設がある
-などの条件を満たした専攻科に限定される。基準を満たす専攻科なら、改正法の施行以前に終了した生徒も対象とする。この制度は中高一貫教育を進める中等教育学校の後期課程や特別支援学校の高等部にある専門科にも適用される。

 高校専攻科は全国に公立68校、私立64校が開設され、在籍者が約1万人いる。半数以上が看護や水産関係で、看護師、海技士など高校在学中に困難な国家資格の取得を目指している。これまでは制度上、高校卒業者と同じ扱いとなっていたため、大学へ進学するには入学試験を突破して1年生からスタートしなければならなかった。

 現状は国家資格の取得を目的とした生徒が大半であり、大学編入学の希望者はそれほど多くないといわれている。しかし、この法改正を機に高校に専攻科を併設して5年一貫教育を実施するところが増えそうな状況だ。

参考:【文部科学省】高等学校等の専攻科の課程を修了した者の大学への編入学

大学ジャーナルオンライン編集部

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