原子力科学技術委員会の原子力人材育成作業部会は、原子力分野を専門とする人材不足の現状を問題視し、政府一体となった人材育成の推進や既設研究施設に対する支援の強化などを柱とした中間取りまとめを打ち出した。

 中間取りまとめによると、原子力に関係する分野の人材不足が徐々に進んでいる。例えば、過去に国立大学や大学院に原子力工学、原子核工学などの学科、専攻が設けられていたが、これらの多くが改称、改組された。

 原子力関係学科、専攻に進む学生は、2011年の東京電力福島第一原子力発電所の事故後に減少、原子力分野を専門とする大学教員の数も減り続けている。原子力分野の人材育成をする研究炉も新規制基準への対応などから停止している。これに対し、原子力分野には福島第一原発の廃炉をはじめ、核燃料サイクルへの取り組み、2030年度の電源構成で原子力依存度20~22%を実現するための取り組みなど課題が山積している。

 このため、文部科学省が国内で必要とされる人材の質と量を把握する一方、政府一体となって人材の育成を推進、新規制基準への対応を進める研究機関への支援を強化すべきとしている。作業部会では、委員から「必要な人材の質、量両面からのニーズ把握が先決だ」、「炉物理を専門とする大学教員が急ぎ必要となる」、「大学と産業界の人的交流が問題だ」などの意見が出された。

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大学ジャーナルオンライン編集部

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