理工系人材の育成に関して議論を重ねてきた経済産業省と文部科学省の産学官円卓会議は、博士課程人材の活躍推進など産学官が取り組むべき課題を示した行動計画をまとめた。イノベーションを起こすのに必要な人材の養成に向け、具体策の推進を進める。

 行動計画によると、計画中の3本柱は「産業ニーズと大学教育のずれの解消」、「産業界での博士人材の活躍推進」、「初等中等教育の充実」。

 産学官の行動は短期的施策と中長期的施策に分けて提示。短期的施策としては、政府に対し、産業界のニーズの実態調査を挙げた。教育機関に対しては、大学関係者による協議体を設置し、対応策の具体的な検討を求めている。産業界に対しては協議体への参加と学生が大学などで習得すべきと考える能力、スキルの明示を要求した。

 中長期施策としては、産業界のニーズを踏まえ、関係分野を有する大学が新たな教育プログラムを創設するよう求めた。さらに、産学官が連携し、わが国が目指す方向性に合わせた人材育成が必要としている。

 特に大幅な人材不足が心配されているのは、人工知能やセキュリティ、IoT、ビッグデータなどの情報技術分野。政府には奨学金の充実、教育機関には学生の数理的な思考を伸ばすとともに、医療、農業、公共政策などの分野と数理、情報分野を融合した教育研究の推進を求めている。

大学ジャーナルオンライン編集部

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