東北大学大学院情報科学研究科 橋本浩一教授らは、生物が適切な経路を選択して目的地に到達する「ナビゲーション」の仕組みを情報科学的に解明する大型融合研究プロジェクト「生物ナビゲーションのシステム科学」を発足することを発表。

 プロジェクトでは、生物の脳を「ナビゲーションを生成するシステム」ととらえ、制御工学・データ科学・生態学・神経科学に関わる10人の研究者を中心に、動物の移動を数理モデル化して理解・応用することを目指す。

 動物にとって“移動すること”は最も重要な生命活動の一つと考えられている。移動において、適切な経路を選択して目的地に到達することを「ナビゲーション」と呼び、ナビゲーションには、周囲の音・匂いなどの環境情報や、心拍数・血糖値などの体内情報を移動行動に反映する能力が不可欠という。

 この動物のナビゲーションを解明し予測・制御が可能になれば、生物資源の有効活用、鳥インフルエンザや蚊が媒介するデング熱・ジカ熱など伝染病の拡散防止、さらには、高齢者徘徊や幼児迷子の行動予測、車やロボットの効率的な走行制御など、広範な社会問題の解決への糸口になるという。

 一方、超小型GPS、携帯型デバイス、データロガー(記録装置)などが発達し、ヒトや動物が行うナビゲーションの詳細な記録が可能となりつつある中、これら先端的な技術が動物を研究する生態学者や神経科学者に用いられる機会はほとんどないのが現状。

 このような背景の元、新学術領域「生物ナビゲーションのシステム科学」は、研究分野の垣根を超え、制御工学、データ科学、生態学、神経科学の専門家が結集し、動物ナビゲーションについて、計測・分析・理解・検証の4つのプロセスによって研究を進めていく。

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大学ジャーナルオンライン編集部

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