同志社大学生命医科学部システム生命科学研究室・斎藤芳郎准教授らのグループが、パーキンソン病患者の赤血球中で増加するタンパク質の測定方法を開発、バイオマーカーとして同定することに成功した。パーキンソン病の早期診断から、活性酸素種を除去する早期治療への発展が期待されるもので、研究成果は英国科学誌「Scientific Reports」に掲載された。

 手足がふるえたり、姿勢が維持できなくなるパーキンソン病は、アルツハイマー病に次いで患者数の多い神経変性疾患。加齢によるものが主で、60歳以上では100人に1人が発症するといわれる。

 生物が体内で消費する酸素のうち数%は活性酸素種になるとされ、この反応性の高い活性酸素種がパーキンソン病の発症にも深く関与することがこれまでの研究で明らかになっている。だが詳細については不明点がいまだ多く、活性酸素種の除去技術もパーキンソン病治療に応用できるまでには至っていない。
一方で、生成される活性酸素種を除去し、体を守る働きをもつタンパク質「DJ-1」は、活性酸素種により酸化されると「酸化DJ-1」というタンパク質を生じるが、研究グループではパーキンソン病患者の脳内で酸化DJ-1 レベルが増加していることを突き止めていた。

 今回、同研究グループは酸化DJ-1の測定方法の開発に成功。150名のパーキンソン病患者に対して血液中酸化DJ-1 レベルを調査した結果、治療を開始する前の早期患者の血液中で酸化DJ-1 が増加していることを発見した。同じような血液中の酸化DJ-1 レベルの増加は、パーキンソン病モデル動物でも確認されたという。

 パーキンソン病の克服には、早期診断・早期治療が重要とされる。今回の研究から、血液中の酸化DJ-1 レベルを指標とした同疾患の早期診断、さらには活性酸素種を除去するパーキンソン病の早期治療への発展が期待される。

 この研究は、パーキンソン病研究を支援するマイケルJ フォックス財団の研究助成金、および日本学術振興会科学研究費補助金を用いて行われた。

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大学ジャーナルオンライン編集部

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