千葉大学の梅野太輔準教授らは非天然化合物を合成する方法の開発に成功しました。これまでの方法では副産物が多くなってしまうという問題がありました。新たに画期的な合成方法を開発したことで副産物をほとんど作ることなく合成することが可能になりました。

 生物由来の物質やそれらによく似た物質を大量に合成する際によく使われるのが遺伝子を組み換えた大腸菌です。欲しい物質を作るのに必要な酵素の遺伝子を組み込めば、あとは菌に栄養を与え続けるだけで大量に合成してくれるわけです。ところが非天然物では必要な酵素を人為的に選ぶ必要があり、多量の副産物が作られるという問題がありました。

 何段階もの化学反応を経る合成において多くの副産物の中から欲しい物だけを合成する場合は、副産物への分岐が起こる段階に絞って余計な経路を遮断します。これは少しだけ形が異なる酵素を用いることで実現できますが、現状では分岐を完全に遮断できないという問題がありました。そこで考えられたのがメタボリック・フィルタリングという方法です。まず各反応の段階ごとに酵素のバリエーションを複数用意します。酵素一つ一つの分岐を遮断する能力は低くてもこれらの組み合わせを変えることで、反応全体では余計な分岐を遮断できることを発見しました。反応の一つの段階のみで副産物への経路を遮断するのと比べて画期的な方法です。

 このメタボリック・フィルタリングを用いれば高い選択制を持つ酵素が無くても、酵素の組み合わせによって欲しい物質だけを選択的に作り出すことが可能になります。これによってこれまで困難とされていた医薬品やその他の有用物質の合成が可能になると期待できます。

出典:【千葉大学】非天然化合物の人工生合成のための革新的な手法を開発(PDF)

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大学ジャーナルオンライン編集部

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