語学教材を開発している株式会社アルクは、「英語学習アドバイザー資格認定制度」を運営し、英語学習者が自律的に学習できるようにサポートする「英語学習アドバイザー」を育成している。今回、2013~2015年度の3年間、英語学習アドバイザーが常駐した5大学の運用実績を調査、公表した。

 近年、大学のグローバル化が求められる一方で、高校卒業までに習得すべき目安とされる英語力に達しない学生も多く、大学入学後に学生の英語力を向上させることが必要となっている。そのような現状をうけ、英語教師だけでは学生個々へのサポートが難しいため、教師とは異なった立場で「自律的に学習する」力をつけることを目指して個別に学生を支援する「英語学習アドバイザー」を導入する大学がここ数年増えてきたという。

 今回の調査によると、英語学習アドバイザーの常駐が3年目を迎えた5つの大学全体では2013~2015年度にかけて英語学習アドバイザーへの相談件数は約1.5倍に増加し、アドバイザーの活用が進んでいることがわかった。

 増加した要因には、アドバイザーを入学直後の1年生に対するTOEIC®対策強化に利用する大学が多く、中には、TOEIC®スコアが大学の規定に満たない学生などに相談を義務づけている大学もあることが影響していると考えられる。一方で、英語力向上や留学促進を目指して学習アドバイザーへの相談を必須化している大学では、初回訪問はするものの再訪につながりにくい、アドバイザーの対応可能人数に限界があることから必須化対象でない学生が利用しにくくなる、といった課題も明らかになった。

 今後もアルクでは、英語学習アドバイザーの育成・管理、成果検証およびデータに基づいた運用改善提案等を通して、英語学習アドバイザー導入大学や企業および英語学習者を支援していくという。

参考:【株式会社アルク】アルク英語教育実態レポート(Vol.8)ESAC:英語学習アドバイス業務とその成果―常駐5大学での過去3年間の実績報告と運用改善への提案―(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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