【2】海外と日本の高校生の意識の違いは?

 これまで、2100年までの未来予測を基に外圧が日本の高等教育機関に与える影響を検討してきた。しかし、進学をする日本の高校生の意識を考慮する必要がある。日本青少年研究所が行っている調査「高校生の生活意識と留学に関する調査」(2012年)から抜粋したものが図表2-1、図表2-2だ。

chart_2-1

chart_2-2

 この調査は、日本、アメリカ、中国、韓国の高校生を対象とした調査だ。

 図表2-1で示した回答結果では、日本の高校生は、他国と比較して「自分は価値ある人間だ」と思えず、「自分はダメな人間だ」と感じ、「自分自身にとても満足できない」という心境でいることが分かる。図表2-2で示した設問項目を見ると日本の高校生は、「自分の意見がはっきり言えず」「自分に課せられたことがこなせず」「失敗を恐れ」「自立できず」「クラスのみんなに好かれず」「リーダーシップが取れない」と自覚しているのだ……。

 筆者はこの調査を長年追いかけているが、大きな変化はない。日本の高校生の他国と比較した際の意識の違いに愕然とする。科学技術が進化し、世界各国の人々が当たり前に協働する社会が間もなく到来するにも関わらず「日本人は謙虚で奥ゆかしいね」では済まされない意識状態であることが分かる。

 2100年まで社会が大きく変化していく中で、国内の高校生の意識がどのように変わっていくか予測はできないが、現状の意識を前提としておく必要がありそうだ。

 そもそも日本の高校生は、高いアウトカムを求めているのか、海外にまで留学したいと思うのか、オンライン大学で自発的に学んでいけるのか、世界の高校生と同じ意識で学び合えるのか……。

 将来のキャリア感を問う各種調査からも「自分サイズのキャリア」程度で良いとする高校生像に象徴されるように、より良い学校歴がより良い人生につながることが期待できた時代とは異なり、学修への意欲が高くない高校生も多数存在しているのが日本の現状である。

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寺裏 誠司

寺裏 誠司

・株式会社学び 代表取締役社長
・一般社団法人アクティブ・ラーニング協会 理事
・リクルート進学総研 客員研究員
これまで、コンサルティング支援した大学・短大・専門学校は250校以上、支援高校2,500校の実績。講演・セミナー・研修・大学非常勤講師など200件、対象3万人以上の実績を有する。
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