進化する独自のグローバル戦略、国や産業界からの評価と成果

冒頭でも触れましたが、グローバル社会が加速する一方で、海外留学に対する若者の意識は「内向き化」の傾向が続いています。こうした事態を受け、2020年までに日本人留学生を倍増(12万人規模)させようという動きが、官民を挙げてますます広まっています。

その一端を担うべく、本学ではハイブリッド留学の開発・展開を迅速に推進してきました。というのも、将来入学してくる学生たちだけではなく、いま現在、本学で学ぶ在学生に留学のメリットを提供したいという強い思いがあったからです。

大学の新規事業というのは、構想から実施まで3~4年かかるのが通常ですが、ハイブリッド留学プログラムは「2012年9月に構想化 ⇒ 2013年4月に募集開始 ⇒ 同年9月に第一期生が現地へ出発」と、構想から約1年で実施に至りました。

以降、毎年の募集では予想以上の参加希望者が集まり、本学への入学希望者の増加にも一役買っています。学生たちに「より良いもの」を開発し、スピーディーに提供するためには、学生の視点に立ったボトムアップのスタンスで取り組むことが重要であると、私たちも改めて実感させられました。kogakuin_04

こうした本学独自のグローバル戦略は、国や産業界からも大きく注目されています。2013年11月には、文部科学省 中央教育審議会大学分科会「大学のグローバル化に関するワーキング・グループ」に招聘され、ハイブリッド留学についての事例を紹介。その取り組みが評価され、ハイブリッド留学プログラムは2015年、「大学教育再生加速プログラム(AP:Acceleration Program for University Education Rebuilding)」に採択されました。

さらに2016年秋には、ハイブリッド留学から進化した産学連携プログラム「ISDC プログラム(Industry-Student Direct Collaboration Program)」を創設し、建築学部で先行スタート。ハイブリッド留学に参加したユニークな感性の学生と、それに着目する企業が直接連携(ダイレクト・コラボレーション)し、企業が提示した課題に卒業研究で取り組むという、これまでにない新しい視点からのプログラムです。

グローバルな感性を身に付けた学生が、企業や実社会と直に触れながら、新しい発想を企業に直接提示する機会を得ることで、卒業後の進路もこれまでとは違った展開の可能性が広がります。また、支援いただく企業サイドからも、学生の柔軟で斬新な発想をダイレクトにキャッチできるのは、時代のニーズに即した事業展開を図る上で大きなメリットとなる、と期待が寄せられています。
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そして今後も、本学では独自のグローバルプログラムで培ったノウハウを最大限に生かし、ハイブリッド留学を軸とした斬新なプログラムを順次企画・実施していく予定です。

すでに今現在も、次なる進化形プログラムを企画し、2019年春の実施に向けて準備を進めているところです。その詳細については、2017年末にプレス発表させていただく予定ですので、どうぞ大きな期待とともにご注目ください!

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工学院大学

伝承を継承しつつ、さらなる進化を続ける大学

2011年の日本初の「建築学部」開設を皮切りに、2015年「先進工学部」創設、2016年「情報学部が従来の2学科体制から4学科体制に、そして、2017年4月には伝統の工学部に「電気電子工学科※」誕生と、常に時代に即した改革を続けています。さらに、八王子キャンパ[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

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