九州大学エネルギー研究教育機構の吉田謙太郎教授と韓国・ソウル大学の共同研究グループが、日本と韓国の消費者の燃料電池車(水素を燃料としてモーターで走行する電気自動車)に対する好みを調査したところ、大きな差が見られることが分かった。

 九州大学によると、研究グループは2019年に日本で1,048人、2020年に韓国で865人を対象としたインターネット消費者調査を実施し、両方の調査結果を混合ロジットモデルと呼ばれる統計分析手法を使って解析した。

 その結果、韓国では年間走行距離が多く、運転頻度が高い人ほど燃料電池車を好む傾向があったのに対し、日本では運転頻度が高い人や戸建住宅に住む人は燃料電池車に対する評価が低かった。韓国で比較的高価なスポーツ目的のSUVが人気なのに対し、軽自動車も多い日本の消費者の好みの差が調査結果に表れた。

 販売促進に効果が出そうな政策は、日韓両国とも購入価格補助より水素燃料代の無償化であることが分かった。政府の支出と二酸化炭素排出量の仮想シナリオから推計した費用対効果分析では、韓国で購入補助金、日本で購入補助金と水素燃料無償化の併用が効果的という結果が出た。

 燃料電池車は日本のトヨタ自動車と本田技研工業が世界に先行して開発を進めたが、販売が低迷して本田技研工業が撤退、トヨタ自動車も販売台数で後発の韓国車に大きな後れを取っており、販売促進が課題に浮上している。

論文情報:【Transportation Research Part D: Transport and Environment】Comparison between Korean and Japanese consumersʼ preferences for fuel cell electricvehicles

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