東京大学の北村成寿氏が率いる国際研究チームは、MMS(Magnetospheric Multiscale)衛星編隊からのデータを解析し、粒子の密度が低い地球周辺の宇宙空間において、粒子から電磁波、電磁波から異なる種類の粒子へと、エネルギーが輸送されている過程を検出することに成功した。

 地球周辺の宇宙空間において、人工衛星に障害を与えるほどの高エネルギーをどのようにして荷電粒子が獲得するのか。私たちの身の回りでは、分子や原子同士は衝突することによってエネルギーをやりとりする。一方、大気圏の外では物質の密度が低く、粒子同士はめったにぶつかることがない。ぶつかることなくエネルギーがやりとりされるのには、電磁波が関係しているという。

 MMS衛星編隊は、NASAが2015年に打ち上げた衛星4機からなる編隊で、様々な計測器が搭載されている。本研究では、これらの観測器のデータを解析し、水素イオンからヘリウムイオンへとエネルギーが運ばれる現象を捉えることに成功した。

 データを調べると、水素イオンの一部が特徴的な運動をしており、電磁波にエネルギーを渡していることが分かった。また、ヘリウムイオンは、電磁波からエネルギーを受け取っている特徴的な運動をしていることが分かった。

 研究チームは、地球周辺の宇宙空間で、電磁波と荷電粒子の相互作用によって、粒子同士が衝突することなくエネルギーが輸送されているデータを得た本成果によって、電磁波と高エネルギー電子の複雑な相互作用についての理解が進む道筋がついたとしている。

論文情報:【Science】Direct Measurements of Two-Way Wave-Particle Energy Transfer in a Collisionless Space Plasma

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