静岡大学、今治市、京セラドキュメントソリューションズ株式会社、株式会社KDDI総合研究所は、“21世紀型スキル”教育支援の一環として、ICTを活用したアクティブ・ラーニングの授業において、記述・発話分析の実証研究を今治市の小中学校3校で開始する。

 現在、主体的に問いを立て、解決し、他者と協働しながら新たな価値を生み出す能力“21世紀型スキル”が、世界的に重要視されている。2016年12月に提出された次期学習指導要領答申では、主体的・対話的で深い学びを育むためにアクティブ・ラーニングの推進とICTの効果的活用が示され、アクティブ・ラーニングの視点に基づいた不断の授業改善が求められている。

 しかし、アクティブ・ラーニングでは多数のグループに分かれて話し合うため、児童生徒全員の学びのプロセスと学習効果を一人の教師で記録・分析するのは困難で、アクティブ・ラーニングの授業改善や個に応じた指導の難しさが課題となっている。そこで今回の実証研究は、ICTと先進のアプリケーションツールを活用することで、教師に学習記録データの分析結果を提示し、アクティブ・ラーニングの実践と継続的な学習活動の振り返りを支援することを目的に行われる。

 実証研究では、アクティブ・ラーニングの学習活動の中でも、特に小グループによる対話活動におけるデジタルワークシート記述と発話を対象とし、グループワークの中の児童生徒達の記述と発話を学習記録データとして蓄積し、それらの変化や推移を自動的に分析。話し合いのプロセスを“見える化”することで、教師に対して指導と評価の一体化を促す。

 また、授業中にグループ編成が変わる授業に対応できるアプリケーションも開発する。具体的には、各生徒の発話内容を録音することで発話データを収集し、一人ひとりの学習内容の理解状態を推定。さらに、授業の開始から終了時までの間にどれだけ理解が深まったかを測定するため、ワークシートの記述の変容から学習成果を測定する。これら発話データと記述データを組み合わせて分析することで、総合的な分析を可能とし、多数のグループの学習効果の評価や授業改善への効果を検証する。研究期間は、2017年1~3月。

出典:【静岡大学】産学官連携によるアクティブ・ラーニングを支援する、記述・発話分析の実証研究開始について

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