鹿児島大学法文学部の榊原良太准教授、大薗博記准教授が東京五輪に対する人々の感情をアンケート調査で調べたところ、開幕前の予想を超えて人々が東京五輪を楽しみ、開催に反対していた人ほど心変わりが大きいことが分かった。
鹿児島大学によると、榊原准教授らは開幕前の7月1日、15日、開催中の8月1日にクラウドソーシングサービスを通じてアンケートを実施、3日間とも回答した全国2,483人(平均年齢47.69歳、男性1,488人、女性965人、その他30人)のデータを分析した。
その結果、7月1日の調査では東京五輪開催について「賛成」が179人、「どちらかといえば賛成」が353人、「どちらともいえない」が506人、「どちらかといえば反対」が619人、「反対」が826人だった。
さらに、「東京五輪を楽しんでいるか」、「メダルを獲得したときに喜んでいるか」、「選手のパフォーマンスに感動しているか」を開幕前後に聞いたところ、当初の予想以上に東京五輪を楽しんでいることが分かった。変化の幅は開幕前に開催に反対していた人ほど大きかった。
榊原准教授らは東京五輪に対するポジティブな感情が開幕前に過小に予測され、予測と実際のずれが反対の程度が強いほど大きくなったと分析している。ネガティブな感情は逆に過大に予測されているのではないかという仮説を立てて分析したが、実際は過小に予測されていたことも分かった。
※調査結果は、速報性を重視し、プレプリント論文としてPsyArxivにて公開されている
論文情報:【PsyArxiv】東京五輪は思ったよりも楽しかった? —— 開催前の賛否に着目した感情の予測と実際のずれの検討