株式会社リクルートのよりよい就職・採用のあり方を追究するための研究機関・就職みらい研究所は、2021年9月7日、就職みらい研究所学生調査モニターの大学生・大学院生を対象に「就職プロセス調査」を実施し、その結果を発表した。

 調査は2021年6月12日~17日の期間に「リクナビ2022」で募集した調査モニター8736人の学生を対象に実施し、大学生1727人、大学院生557人の回答を集計対象として分析した。 

 就職活動費用に関する調査では、2022年卒業予定の学生が6月12日時点で就職活動に使用した金額は、平均して7万2034円だった。これは、2021年卒業の学生と比べて約1万6000円少なくなっている。またコロナ禍前の2020年卒業の学生の12万8890円に比べて約4割減少する結果となった。

 各項目別に見ると、最も減少したのは「宿泊費」で2021年卒業の学生と比べて9154円少なくなった。新型コロナウイルス感染症の影響によりオンラインでの就職活動が増えたことが原因と考えられる。加えて、就職活動にかける時間はこの3年を見ても大きな変化はなく、企業との接点が費用をかけずに効率化されていると考えられる。

 続いて学生の活動実施状況を見ていくと、費用負担が減ったにもかかわらず、個別企業の説明会、面接ともに2021年卒業の学生と比べて増加している。個別企業の説明会では平均19.7社と21年卒と比べて5.1社増加、面接も平均10.9社と21年卒と比べて1.5社増加しており、学生のコメントでは「移動時間とお金がかからないので、選考を受けるか迷っている企業にも積極的に挑戦することが出来た」など、就職活動のオンライン化に伴う費用負担の減少により多くの企業の選考に参加したい、できたという声が見られた。

参考:【株式会社リクルート】【2022年卒 就職活動TOPIC】就職活動費用は2年連続減少。コロナ禍前と比べ約4割減 一方で説明会・選考など学生の参加数は増加(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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