筑波大学は格付投資情報センター(R&I)から「ダブルAプラス」、日本格付研究所(JCR)から「トリプルA」の信用格付を新規取得した。これを機にさらなる財政基盤強化を図るとともに、開放性と透明性を高めた大学経営を推進するとしている。
筑波大学によると、信用格付は企業や団体の債務履行能力、社債など個別債権の履行確実性などを評価して判定する。通常、ランクは最高のトリプルAから最低のDまでに区分され、トリプルB以上が投資するのに適格な企業、団体と考えられている。
R&Iは筑波大学が大学発ベンチャー企業の創出で全国4位に位置し、外部資金の獲得件数、金額とも上位にいるほか、付属病院の経営内容も安定しているとしてダブルAプラスと判定した。格付の方向性は安定的としている。
JCRは筑波大学が文部科学省の競争的資金獲得で上位にいるのに加え、今後、企業との共同研究収入や財産貸付収入、寄付金収入の拡大が期待できるとして最高ランクのトリプルAとした。こちらも格付の方向性を安定的としている。
大学の格付評価は米国で以前から活発に行われてきたが、日本でも21世紀に入って格付評価を受けるところが増えてきた。18歳人口の減少で大学を取り巻く環境が厳しさを増す中、資金調達の多様化と低コスト化が求められているためで、高い格付を得て学校債を発行すれば、銀行など金融機関からの長期借り入れに比べ、金利支払いの低コスト化が期待できる。