日本私立大学団体連合会は新型コロナウイルスワクチンの3回目接種で、堀内詔子ワクチン担当相から聞き取り調査を受け、さらなる国の財政支援やワクチンを返却可能にすること、接種券の早期配布などを要望した。

 私大連によると、聞き取り調査には私大連側から明治大学学長の大六野耕作常務理事が応対した。政府側は堀内ワクチン担当相のほか、文部科学省、厚生労働省、総務省などの副大臣、政務官、担当者らが同席した。

 大六野常務理事は明治大学の実例を紹介しながら、私立大学が抱える課題を説明するとともに、私大連が関東地区、関西地区の大規模・中規模私立大学から意見聴取し、集約した内容を報告した。

 この中で、関西の大規模私立大学は「約7万回の接種を行ってきたが、医学部や看護学部などがないため、指揮命令以外のすべてを委託せざるを得ず、大学の持ち出しが数億円に及ぶなど委託費がかさんだ。職域接種への補助額を上げてほしい」と訴えている。

 関東の大規模大学は「財政的負担が大きいうえ、医療事故の可能性を考えると医療に携わる経験が乏しい大学に実施の負担が重すぎる。接種券の後日回収など困難なことがあった」、別の関東の大規模大学は「余剰ワクチンの返品をさせてもらえるとありがたい」と要望している。

 新型コロナ感染症の新規感染者がオミクロン株の爆発的な流行で急増しているが、国は3回目のワクチン接種が有効として大学拠点でも追加接種を進める方針。

参考:【日本私立大学連盟】大学拠点接種(3回目)に関するヒアリングへの対応

大学ジャーナルオンライン編集部

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