2016年卒業予定の大学生、大学院生の就職内々定率が8月末で69.1%だったことが、総合サービス業のマイナビ(本社・東京、中川信行社長)の調査で明らかになりました。就職活動日程が今年から後ろ倒しされたことにより、7月末までは前年同期を下回る内々定率でしたが、8月に内々定を出す企業が一気に増え、8月末で前年同月比0.7ポイント減とようやく前年並みになりました。
調査は「マイナビ2016」会員の2016年3月卒業予定者に対するウェブアンケートの形で、8月26日から31日にかけて実施。5,763人(文系男子1,304人、理系男子1,046人、文系女子2,672人、理系女子741人)から有効回答を得ました。
それによると、正式な選考活動開始月となる8月末の内々定率69.1%は、前月比12.1ポイント増で、8月に入って本格的に企業の選考が進んだことをうかがわせます。平均内々定保有社数は前月比0.3ポイント増の2.1社。複数社から内々定をもらう学生が多く、今年最高の平均保有社数となりました。しかし、企業側は今後の内々定辞退に備えなければならないようです。
内々定保有者が現時点で入社する意思が最も高い企業の業種別を見ると、金融関係が前月比4.7ポイント増の13.1%、官公庁関係が2.8ポイント増の4.1%と、8月に入って大幅に増えています。従業員規模では、5,000人以上の企業が7.0ポイント増の18.5%となり、規模の大きな企業の選考も一気に進んだことが分かります。
内々定保有者のうち、就職活動を終了すると答えた学生が68.4%に達しました。ただし、未内定者を含めると、今後も活動を継続する学生は52.0%もいます。内々定辞退の続出も予想される中、今年の就職活動はもうしばらく続くことになりそうです。