2016年3月卒業予定の大学生に対し、中堅、中小企業の45.9%が採用を予定し、そのうちの47.1%が前年より採用者を増やす考えであることが、厚生労働省の全国調査で分かりました。採用予定、採用を増やす企業とも前年を上回り、中堅、中小企業が人材確保に積極的になりつつあることをうかがわせています。
調査は6、7月の2カ月間、全国のハローワーク管内にある従業員おおむね1,000人以下の事業所を対象に実施し、うち3万1,592社から回答を得ました。調査によると、「2016年3月卒業予定の大学生を採用する予定がある」と答えた事業所は、前年を5ポイント上回りました。採用予定企業のうち「前年より採用数を増やす」と回答した事業所も、前年より1.6ポイント増えました。
これに対し、「採用を予定していない」と答えた事業所は31.9%で、前年を10.0ポイント下回りました。採用を予定している事業所のうち、「採用数を前年より減らす」とした事業所は10.8%。前年より1.2ポイント少なくなっています。
これに対し、「採用を予定していない」と答えた事業所は31.9%で、前年を10.0ポイント下回りました。採用を予定している事業所のうち、「採用数を前年より減らす」とした事業所は10.8%。前年より1.2ポイント少なくなっています。
採用を予定している事業所を従業員別に見ると、「採用数を増やす」としたのは、従業員29人以下で54.3%、従業員30―99人で47.5%に達しました。従業員100人以上の事業所が40%台前半なのに対し、零細企業が積極的に求人を考えていることが明らかとなっています。
産業別で見ると、「採用数を増やす」と答えた事業所は、建設業で52.4%、卸売業・小売業で47.0%、製造業で46.1%、医療・福祉関係で44.9%。東北地方の東日本大震災被災地復興や東京オリンピック関連の需要増も見越し、建設業界が新規採用に前向きになっているようです。
調査事業所の2015年新規採用充足率は、従業員29人以下の事業所で55.0%、30―99人で64.0%。建設業は全体で65.5%となっており、かなり低い数値となっています。零細企業や建設業界が抱える人手不足感から、積極的に新規採用に動いている一面も背景にあるとみられています。