国立大学協会は、新時代を迎えた国立大の将来のあり方をまとめた「国立大学の将来ビジョンに関するアクションプラン」を公表しました。優れた資質、能力を持つ多様な入学者の確保と受け入れ環境の整備や、大学間の機能的な連携、共同による教育水準の向上を2つのポイントとし、グローバル世界に開かれた高等教育機関として、教育、研究、社会貢献の機能をさらに強化するとしています。
アクションプランでは、国立大の基本機能向上として、①国力を支え、発展させる多様な知を創造し、継承する②社会還元につなげる応用研究を推進し、イノベーション創出を牽引する③全国および各地域における良質な雇用を創出する―の3点を挙げました。
2つのポイントのうち、「優れた資質、能力を持つ多様な入学者の確保と受け入れ環境の整備」では、①多様なニーズに応える教育研究の質を向上させる②確かな学力とともに多様な資質を持った高等学校、高等専門学校卒業者を受け入れる③優れた外国人留学生を積極的に受け入れ、日本人学生の海外派遣を拡大する④女子学生、女性教員の受け入れ環境を整備する⑤留学生や若者を地域に引き寄せ、地方創生に貢献する⑥学び直しを求める社会人を積極的に受け入れる―を目標に掲げています。
もう1つのポイントである「大学間の機能的な連携、共同による教育研究水準の向上」では、①大学間の連携、共同による教育を推進する②大学間の連携、共同でネットワーク形成を進め、研究を推進する③学生、研究者の高い流動性を確保する―に力を入れるとしました。
さらに、少子化など社会の変化に備え、国立大の構造改革が必要だと強調。国立大を地域の拠点として不可欠な存在と位置づけたうえで、教育、研究、社会貢献などあらゆる分野で機能を向上させるとともに、日本の高等教育のグランドデザインを描く必要があるとしています。
国立大学協会は、日本社会の長期的な動向を頭に入れて国立大の将来ビジョンと改革の方向性を明らかにするため、2014年に「地域と国の発展と支え、世界をリードする国立大学」と題する、基本的な考え方を会長声明として公表、アクションプランの検討に入っていました。