法科大学院の志願者が減少している問題で、文部科学省は大学入学から法科大学院修了まで6年かかる学修機関を1年短縮して5年にする「5年一貫コース」の設置を大学側に促す方針案を、中央教育審議会大学分科会の法科大学院等特別委員会に示した。より短期間で司法試験の受験資格を得られるようにし、学生の確保につなげるのが狙いで、中教審は年内にも中間報告をまとめる方向。
法科大学院を2年で修了する現在の法学既修者コースだと、大学で4年間、法科大学院で2年間の計6年間学ぶことになる。大学入学から修了まで時間がかかりすぎることが、法科大学院が敬遠される理由の1つと考えられている。
これを解決するために、文科省が打ち出したのが5年一貫コース。大学法学部と法科大学院の教育課程を整理し、法科大学院での履修科目の一部を法学部で先取りして学ぶようにしたうえ、既存の早期卒業制度や飛び入学も活用し、法学部を3年で終えて4年目に大学院へ入れるようにする。
法科大学院は司法制度改革の一環として2004年度に始まった。しかし、法科大学院に入らずに司法試験の受験資格を得られる予備試験に学生が流れたこともあり、志願者が減少、2018年度の志願者は延べ約8,000人とピーク時の2割足らずに落ち込んでいる。このため、学生募集の停止に追い込まれるところが相次ぎ、対策を講じる必要性に迫られている。