第5回教育未来創造会議が東京都内の首相官邸で開かれ、大学の国際化推進に向けて2033年までに38万人の外国人留学生を受け入れる新目標を設定する案が示された。英国やフランス、オーストラリアなど海外の主要国に比べ、大きく後れを取っている現状を打開するのが狙いで、少子化による若年人口減少に苦しむ大学経営を支える思惑も透けて見える。

 内閣府によると、会議では岸田文雄首相、松野博一官房長官、学識経験者の清家篤元慶應義塾塾長らが出席する中、2回目の提言取りまとめに向けて論点の整理案が示された。その中で、政府がこれまで進めてきた年間30万人の外国人留学生受け入れを目指す目標を見直し、これからの10年間で38万人の新目標を掲げて達成に向けて努力する方向が示された。

 日本の外国人留学生受け入れ数はコロナ禍前の2019年に31万人を数えたが、在学生に占める留学生の割合は6%にとどまり、オーストラリアの3割超、英国の2割超、ドイツ、フランスの1割超に大きく及ばない。全世界の外国人留学生受け入れ先に占める日本の割合は4%ほど。2000年から大きな変化がないのに対し、カナダや中国などが大きくシェアを伸ばしている。このため、日本の取り組みの遅れが目立つ格好になっている。

 岸田首相は5月のG7広島サミットで国際交流促進に向けた協議をするとして、4月中に2回目の提言を出すよう求めた。

参考:【内閣府】第5回教育未来創造会議配布資料

大学ジャーナルオンライン編集部

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