大阪大学の瀧原圭子教授らのグループは喫煙が老化に関わる遺伝子であるαクロトーの働きに影響を与えることを発見しました。喫煙による老化の促進の状態を調べるパラメーターとして利用できる可能性があります。
近年は副流煙の問題などから禁煙の施設が増えるなど、社会的にも禁煙を促進する動きは進んでいます。喫煙が様々な健康障害や疾患の危険因子であることはよく知られており、禁煙の推進は病気の予防の観点からも重要です。喫煙習慣が体に及ぼす影響のなかでもグループが注目したのは老化の促進です。老化のために喫煙者は非喫煙者に比べて10年以上も寿命が短くなるという指摘がある一方で、その因果関係はこれまで明らかにされていませんでした。
ここで注目したのがαクロトーという遺伝子です。αクロトーには抗炎症作用があり血中にも分泌されています。通常は肉体的、精神的ストレスがかかるとその濃度を上昇させることで炎症を抑えてくれる一方、動脈硬化や糖尿病、加齢によって濃度が低下することが分かっています。今回の研究ではαクロトーの血中濃度が喫煙によってどのように変化するのかを調べました。その結果、喫煙者は非喫煙者に比べてαクロトーが薄くなっていることが明らかになったのです。
ここで注目したのがαクロトーという遺伝子です。αクロトーには抗炎症作用があり血中にも分泌されています。通常は肉体的、精神的ストレスがかかるとその濃度を上昇させることで炎症を抑えてくれる一方、動脈硬化や糖尿病、加齢によって濃度が低下することが分かっています。今回の研究ではαクロトーの血中濃度が喫煙によってどのように変化するのかを調べました。その結果、喫煙者は非喫煙者に比べてαクロトーが薄くなっていることが明らかになったのです。
このことから今後血中のαクロトーの血中濃度を調べることで喫煙による老化の度合いを調べることができるようになるかもしれません。喫煙の習慣によって体が受けたダメージを数値としてみることが可能になれば、禁煙の推進にも貢献できることでしょう。