近畿大学東洋医学研究所の武田卓所長らの研究チームは、コロナ禍で女子高校生の約30%が孤独を感じ、孤独感と「高校2年生」「インターネット使用時間」「心理的苦痛」「月経前症候群」が関連していることを見つけた。
近畿大学によると、研究チームは2021年12月、仙台市の高校2校の協力を得て女子高校生1,450人を対象に心理的苦痛尺度、月経前症候群症状評価尺度、孤独感尺度、新型コロナウイルス恐怖尺度を評価する調査をした。調査当時、2高校では通常の対面授業が行われ、社会生活の大きな制限もなかった。
調査に回答したうち、月経周期が規則正しい907人の回答を解析したところ、29.0%が孤独であり、高校2年生は35.1%と高くなっていることが分かった。深刻な心理的苦痛の有病率は8.2%で、孤独感を持つ生徒の間では16.0%に達している。
孤独感の関連因子としては「高校2年生」「インターネット使用時間」「心理的苦痛」「月経前症候群」が挙げられることも明らかになった。
高校2年生はコロナ禍初期の2020年4月に入学し、高校入学という社会的変化が大きい時期に緊急事態宣言による休校が重なった。研究チームは新しい人間関係の形成がうまくいかず、孤独感を感じているのではないかとみている。