東京福祉大学教育学部の沼澤清一教授は、公益財団法人学習ソフトウェア情報研究センター主催の「第34回学習デジタル教材コンクール」において奨励賞を受賞した。
「学習デジタル教材コンクール」は、学校教育でのデジタル機器の活用、教育の情報化の進展に貢献することを目的としたもの。教員や教育関係者・団体を対象に、自作デジタル教材やホームページ、種々のデジタル教材を使用した授業の指導案、実践例などを募集。優れた作品には賞を授与するだけでなく、広く教育関係者に紹介し、利用できるようにしている。
奨励賞を受賞した沼澤教授の作品タイトルは、「水の旅(見えない水の流れをとらえさせ、全体像から理解を図るための教材開発)」。小学4年生の社会科での活用を目的としたパワーポイントの教材で、2016年度に沼澤教授が発表した「水の旅」(仙台市自作視聴覚教材審査会コンピュータソフト部門優秀賞受賞作)をベースに、よりわかりやすくリニューアルした。
教材は、釜房ダム(宮城県仙台市)を起点とする水の流れを追いかける内容。多くの小学校が、浄水場の仕組みと働きについて見学体験をしているものの、それ以外の水の流れについては学ぶ機会がほとんどないため、Googleの航空写真・地形、現地で撮影した写真、水道局への取材結果などを盛り込み、断片的になりがちな学習内容を多面的に広げ、全体像を把握できるようにした。
沼澤教授は、「水の流れは目に見えませんが、水道管を流れていることを意識してもらうだけでも意味があります。私たちが水に生かされていること、また水に関わる仕事をしている人々がいることを子どもたちに気づかせる必要があり、それが”水を大切にしよう”という精神にもつながってくるのだと思います」と教材への思いを語った。