2023年8月10日、東京医科歯科大学と東京藝術大学が包括連携協定を結んだ。複雑化する社会課題に多面的なアプローチが求められる中、医療と芸術という異分野の融合でイノベーション創出や新時代の価値創造を目指す。

 東京医科歯科大学によると、協定に基づき推進する取り組みは
・医療と芸術の融合によるイノベーション創出や地方創生、まちづくりの推進
・新しい病院の環境づくりや価値創造に向けた人材の育成
・共生社会を作るアートコミュニケーションの推進
-など。具体的な事業としては理想の病院を目指して両校が推進する「わたしたちの病院づくりプロジェクト」、三菱地所を核とする「東京ウェルシティ構想」への参画、芸術家に特化した医学研究や特殊医療の研究などを予定している。

 両校の連携は東京都文京区の東京医科歯科大学病院で小児科病棟にプロジェクションマッピングをつくるプロジェクトが2021年にあり、東京藝術大学大学院映像研究科のデザイナーの協力で医師や看護師ら医療スタッフがホスピタルアートと出合ったのがきっかけ。

 東京医科歯科大学の田中雄二郎学長は「来年の秋に予定される東京工業大学との統合後もこの関係を発展させたい」、東京藝術大学の日比野克彦学長は「芸術の力だけで解決できない社会課題に対し、東京医科歯科大学が持つ医療の知見の力を借りて解決を目指すとともに、1人ひとりの心の豊かさを求めたい」とのコメントを発表した。

参考:【東京医科歯科大学】東京医科歯科大学と東京藝術大学、包括連携協定を締結

東京藝術大学

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東京藝術大学は、その前身である東京美術学校、東京音楽学校の創立以来130余年間、世界水準の教育研究活動を展開し、数多の傑出した芸術家を育成・輩出し続けています。社会の基盤として芸術が担う役割の重要性や、あらゆる分野と繋がり新しい価値を創出する芸術の力を社会に向[…]

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