2023年8月7日、幼稚園から大学までの私立学校団体で組織する全私学連合は、日本私立大学連盟会長も務める田中愛治代表(早稲田大学総長)らが文部科学省に永岡桂子文部科学相を訪ね、2024年度の政府予算編成や税制改正で私立大学等経常費補助金の拡充や学校法人に対する寄附控除率引き上げなどを要望した。

 日本私立大学連盟によると、2024年度政費予算編成に対しては、私立大学の多様性に着目した人への投資を拡大するため、経常費補助金の拡充、特色ある教育研究への支援強化、グローバル化と地方創生推進に向けた支援の充実を3本柱に掲げた。

 その中で、修学支援制度拡充に伴う私立大学の経費負担軽減や文理横断教育に対する基金創設、学生や教職員の国際交流充実、大都市の大学と地方大学の交流促進などを要請している。

 税制改正では、個人が学校法人に寄附した場合の税額控除拡大やリカレント教育に対する企業などからの寄附金を全額損金に算入する制度の創設、若手・女性研究者育成に向けた寄附税制の創設などを求めている。

 政府が私立大学に交付する経常費補助金は2019年度まで予算額が3,100億円を超えていたが、2020年度以降3,000億円を下回っている。特に教育や研究設備、装置などに対する補助額はこの13年間で54%も減少し、大学の教育研究推進が財政面で厳しさを増している。

 私立大学の経費のうち、寄附金でまかなえるのは全体の2%ほどにとどまり、伸びていない。全私学連合はこうした現状を打開するために、経常費補助金の拡充や寄附税制の改革が不可欠と指摘している。

参考:【日本私立大学連盟】令和6年度政府予算・税制要望書を永岡文科大臣に手交

大学ジャーナルオンライン編集部

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