2028年の県立大学開設を目指している佐賀県は、「経営情報学部(仮称)」を想定した1学部1学科体制の基本構想案を取りまとめた。9月に公表した素案に県民座談会で出た意見を盛り込んだ内容で、カリキュラム作成作業や設置場所検討などの推進事業費800万円を盛り込んだ2023年度補正予算案を30日開会の県議会に提出する。
佐賀県によると、大学の名称は「佐賀県立大学(仮称)」。社会や現場の課題を最新の情報技術を応用して解決する社会実装力、データ処理して技術的側面から課題解決を目指す技術力・分析力、物事や課題の本質を理解し、市場動向に合わせた提案ができるビジネス力を備えた人材育成を目指す。
学部は入学定員200~300人程度の経営情報学部だけを想定、学部内を細分化せずに1学部1学科体制とする。1、2年生で地域について学ぶ「佐賀学」、経営学、外国語など教養科目、そのあとで経営分野と情報・データサイエンス分野の専門科目を履修するとしている。
2023年度補正予算案には、カリキュラムの作成や設置場所を検討する専門チーム設置などの事業費を盛り込む。山口祥義知事は補正予算案の審議を通じて基本計画案の是非を県議会に問う考え。
佐賀県にある4年制大学は国立の佐賀大学と私立の西九州大学の2校で、大学進学時に若者が流出することが長く問題になってきた。県立大学はその解消に向けて進めている事業だが、少子化の進展で大学は全国で飽和状態。18歳人口が今後さらに減少すると見積もられる中、県立大学の先行きを不安視する声が県民から出ている。