長崎総合科学大学は高度技術者の育成、修学支援の目的で大学院博士課程の授業料など学納金を全額無料、修士課程を約8割減免する取り組みを始めた。長崎県にキャンパスを置く大学では初めてで、全国的にも珍しいという。
長崎総合科学大学によると、大学院博士課程は定員3人。これまで入学金12万円、年間授業料40万円、年間実験実習料16万円が必要で、3年合計で180万円かかっていたが、すべて無料になる。
修士課程は定員30人。これまで入学金12万円、年間授業料50万円、年間実験実習料16万円、年間教育充実費20万円の2年間合計184万円必要だったが、教育充実費だけ負担の2年間合計40万円となる。支援額の原資は半額を国の補助金でまかなう。
対象者は2023年10月の新入生のほか、在学生も4月から加える。長崎県内出身かどうかなど出身地で条件は付けない。減免の条件は主たる家計支持者が給与所得者の場合、前年の源泉徴収票支払額が841万円以下。給与所得者以外の場合は確定申告の所得額が355万円以下。長崎総合科学大学はほとんどの学生が対象になるとみている。
長崎総合科学大学は長崎県にある唯一の私立理工系大学。学部学生に大学院への進学希望者は多かったが、経済的な理由で断念するケースが多かったことから、高度技術者の育成に向けて大胆な支援策を設けた。女性の理工系人材が不足していることも考慮し、2025年度入試から学部に女性枠を設ける方針も打ち出している。