米航空宇宙局(NASA)などが公開する宇宙関連のオープンデータを使い、アプリケーションやプロダクトを開発する「NASAスペースアップスチャレンジ」で、山口大学大学院創成科学研究科宇宙利用工学研究室の君嶋里美学術研究員、同大学院博士後期課程のカティア・バイブハブさんのグループが世界トップ25に入った。
山口大学によると、君嶋学術研究員とバイブハブさんは地球観測衛星のデータとオープンデータを活用して難民情報を把握、移動軌跡の抽出や移動に伴う周辺環境への影響をモニタリング可能とする「目に見えない人口層の可視化」を、データのベストユーズ部門に出展した。地球観測衛星のデータを難民の人道的支援など社会的な課題への利用につなげようとする姿勢が評価された。
世界で強制移住者は6,850万人いて、うち2,500万人が難民になっている。主な出身国はアフリカの南スーダン、中東のアフガニスタン、シリアなどで、君嶋学術研究員とバイブハブさんは難民の状況を把握するために定量的分析とモニタリング手法の開発が必要としている。
目に見えない人口層とその移動を可視化することにより、周辺環境との関係性を検証できるほか、人道的支援の促進につながり、自然災害発生時の被害把握の向上にも活用できるという。
参考:【山口大学】「NASAスペースアップスチャレンジ」のグローバルファイナリスト(トップ25)に日本で唯一、山口大学チームの作品が選ばれました