文部科学省は魅力ある地方大学の実現に値する地方国立大学の定員増を認める特例に、高知大学農林海洋科学部の農林資源科学科を選んだ。農林海洋科学部の組織改革で高知県の基幹産業である第1次産業のリーダーを養成し、第1次産業に最新のデジタル技術を導入する構想で、農林資源科学科は2025年度から定員が5人増の140人となる。
文部科学省によると、高知大学は農林海洋資源の持続的開発、環境保全を可能にする総合的な農学教育の展開に加え、第1次産業のデジタルトランスフォーメーション化を推進できるデータサイエンス教育を推進、第1次産業のデジタル化を進めるリーダー的存在を育てる。
さらに高知県地域枠を導入するとともに、農業大学校卒業生の3年次編入などを進めて2022年までの5年間に99人だった農林海洋科学部の県内就職者を2028年から5年間で200人以上に増やす計画を打ち出している。
特例による地方国立大学の定員増は2023年度以降、徳島大学など4大学で適用されており、高知大学が5校目。2025年度の定員増には高知大学1校しか応募がなかったが、大村秀章愛知県知事、佐藤敬青森中央学院大学学長ら有識者で構成する審査会が聞き取り審査を進めて定員増を求める判断を下した。