一般社団法人日本排尿機能学会が2023年、全国の男性を対象に排尿時の姿勢を調べたところ、20代で69%、70代で50%が便器に座っていることが分かった。この割合は世界トップクラスの多さだという。
日本排尿機能学会(理事長:舛森 直哉/札幌医科大学医学部 泌尿器科学講座 教授)が前身である神経因性膀胱研究会の発足から50年を迎える2023年に、約20年ぶりに下部尿路症状に関する疫学調査(疫学調査実行員会 委員長:三井 貴彦/山梨大学医学部 泌尿器科学講座 教授)を実施した。
調査は2023年5~6月、インターネットリサーチ「マクロミル」の調査パネルを通じて実施し、全国の20~90代の男性3,122人から回答を得た。
それによると、自宅で座って排尿している男性の割合は56%。年代別に見ると、20代が69%、30代が66%、40代が57%、50代が54%、60代が52%、70代が50%、80代が47%、90代が37%だった。従来、座って排尿する理由として骨盤の筋肉が緩みやすく、腹圧をかけやすくなるため、尿が出にくい症状が緩和されることが考えられてきたが、排尿症状の有無と排尿姿勢に有意な関係は見つからなかった。
20~30代では結婚している男性のうち、座って排尿が75%、立って排尿が25%なのに対し、未婚の男性は座って排尿が62%、立って排尿が38%と座って排尿する人の割合が低かった。他の年代も同様の結果が出ており、日本排尿機能学会は立って排尿したときの汚れ防止が影響したとみている。
海外の調査結果を見ると、座って排尿する男性の比率はドイツで62%、米国で23%、カナダで35%、オーストラリアで39%、メキシコで21%、シンガポールで20%。ドイツ以外は日本を大きく下回り、日本はドイツと並んで世界トップクラスに位置している。