富山福祉短期大学(富山県射水市)などを運営する学校法人浦山学園は、高志(こし)大学【仮称】を2028年4月開学予定であることを公表した(設置構想中)。富山県内での4年制大学の新設は、決まれば38年ぶりとなる。
高志大学【仮称】は現在の富山福祉短期大学(射水市)の敷地に校舎を建設する予定で、「経済経営学部経済経営学科」を新設し、既存の富山福祉短期大学(社会福祉学科・看護学科・幼児教育学科)を「短期大学部」とする。学長には日本総合研究所主席研究員、藻谷浩介氏が就任する予定。
富山県内の大学を巡っては、定員割れが続いていた高岡法科大学(高岡市)が2025年度以降の学生募集を停止して閉校することが決まっており、高岡法科大学の閉校後は、国立の富山大学(富山市、高岡市)、公立の富山県立大学(富山市、射水市)、私立の富山国際大学(富山市)の3校となる。県内で私立大学が1校以下となるのは高知県、佐賀県、鳥取県と富山県の4県のみ。私立大学の入学定員と比較すると、隣の石川県4,293名に対して富山県は210名と比較にならない少なさだ。このため2023年の大学進学時残留率は石川県47.8%、福井県32.0%に対して富山県はわずか19.7%となっている。
このような背景から、高志大学【仮称】は、地元の若者の受け皿となることを目指し、受験者層が多い経済経営学部を設けることにした。経済経営学部の入学定員は95人、収容定員は380人(予定)。経済学分野と経営学分野に関する専門知識を身に着け、地域における経済活動を主体的かつ創造的に実践できる人材を育成する。
なお、財源に関しては「射水市企業版ふるさと納税を活用した大学等設置助成金制度」を創設し、新設にかかる14億円のうち3億円をこれで賄う計画。富山県内の地元企業からどの程度集まるか注目される。
富山県の新田八朗知事は、高志大学【仮称】の設立について「高等教育機関を取り巻く環境は厳しさを増しているが、人づくりは未来に向けた重要な投資であり、高等教育機関はまさに本県の活力を支え、本県の発展の礎となる重要な場所であると考えている。県としてもよくお話を伺いながら必要な支援を行ってまいりたい」と歓迎コメントを発表している。
参考:【学校法⼈ 浦⼭学園】高志大学(仮称)設立について~地域における経済活動を主体的かつ創造的に実践できる人材育成~(PDF)
【富山県】「(仮称)高志大学」設立発表に係る知事コメント