東京観光財団は東京都立大学の協力を得て、人流データを活用して東京都内15のイベントを試行的に解析、レポートにまとめた。伝統的なお祭りやイベントは近隣集客型だったが、全国的な知名度を持つイベントは中長距離から来場客を集め、周辺地域にも影響を与えていた。

 東京観光財団によると、人流データはソーシャルメディアマーケティングのブログウォッチャーの「おでかけウォッチャー」を活用、中央区のべったら市、台東区の三社祭、八王子市の八王子花火大会など15のイベントについて集客状況や周辺地域への影響を調べた。

 その結果、べったら市や中央区のつきじ獅子祭、港区の麻布十番納涼祭など、伝統的なお祭りやイベントは、訪問客の多くが20~40キロの近隣から来訪し、周辺地域への影響が見られなかった。

 これに対し、三社祭や台東区、墨田区の隅田川花火大会、港区の泉岳寺義士祭、八王子花火大会など知名度が高いイベントは、40~300キロの中長距離から来場者が集まり、周辺地域に影響を与えていた。

 東京都立大学都市環境学部の清水哲夫教授は「集客力のある大きなイベントでも思いのほか遠距離からの来訪は少なかった。元データの特徴を適切に理解したうえで、分析結果を丁寧に考察することが重要でないか」とコメントしている。

参考:【東京観光財団】東京観光財団が東京都立大学と協力した「人流データを活用した都内訪問者の行動傾向」レポートVol.3を公表(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。