2025年5月12日、東京都教育委員会は全都立学校256校(小学校1校、中学校5校、高校187校、中等教育学校5校、特別支援学校58校)において、生成AIを活用した学習「都立AI」を開始する。対象となる教職員・児童・生徒数はあわせて約16万人。

 東京都は「2050東京戦略」の一環で「戦略3 教育DXで学びのアップデート」を推進しており、これまで「生成AI研究校」を2023年に9校、2024年度に20校を指定し、教育現場における生成AIの効果的な利活用について研究を進めてきた。この成果を踏まえ、今回、全都立学校で「都立AI」を始める。

 「都立AI」のモデルはGPT 4o-mini以上に対応。クラウド上に作られた東京都専用の利用スペース「テナント」で、教職員、児童・生徒双方が円滑に利用できる環境になっている。入力はAIに学習されず、不適切なやり取りもフィルタリングなどで安全に利用できる。また、テンプレートやカスタムAI作成機能、テキストデータ参照機能を搭載し、学習活動や校務にあわせて活用できる。

 東京都では全都立学校での導入にあたり教員向け指導資料として「都立学校生成AI利活用ガイドラインVer.1.0」「生成AI研究校初回授業モデル指導案」「生成AIについて学ぼう!」を作成。ポータルサイト「とうきょうの情報教育(情報教育ポータル)」に指導事例や生成AIの活用事例を掲載している。

<生成AI研究校>
●令和5年度継続校
井草高等学校、両国高等学校、小岩高等学校、日野高等学校、砂川高等学校 (通・定)、立川国際中等教育学校、墨東特別支援学校 光明学園、青鳥特別支援学校

●令和6年度新規指定校
千歳丘高等学校、西高等学校、大泉高等学校(大泉高等学校附属中学校)、向丘高等学校、淵江高等学校、葛飾商業高等学校、山崎高等学校、昭和高等学校、国立高等学校、大島海洋国際高等学校、城南特別支援学校

参考:【東京都】全都立学校で生成AIを活用した学習が始まります!
【東京都教育委員会】都内公立学校数(令和7年4月1日現在)

大学ジャーナルオンライン編集部

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