兵庫県西宮市甲風園に本社を置く学習塾の浜学園は財団法人「浜教育財団」を設立し、内閣府から公益認定を受けた。大学の教育系学部に在籍する学生を対象に奨学金を給付し、将来社会に貢献し得る有為な人材の育成に寄与する。学習塾運営企業の奨学金制度開設は初めてという。
浜教育財団によると、奨学金は年額48万円。教育学部に在籍する学部3年生を対象に、3年次・4年次の2年間給付する。採用人数は毎年10人程度。給付型のため返還義務はなく、進路について関与しない。奨学生には学び合いや、浜学園を卒塾し社会で活躍する人々との交流といった継続的なサポートも提供する。
応募資格は国内大学の教育学部および類する学部(例:教育文化学部、学校教育学部、現代システム科学域 教育福祉学類)に在籍する学部3年生で、日本国籍を持つ25歳以下(応募締切日時点)、経済的理由で学費支払いが困難、就学状況および生活状況について適時報告できることが条件となる。他の奨学金を受けていても応募可能。
浜学園は1959年、兵庫県尼崎市で設立された。主に小学生を対象に約8,000人の塾生を抱える中学受験対策の学習塾と、通信教育、出版事業を展開している。特に関西では難関私立中学の合格者数が多いことで知られている。
浜教育財団による奨学金制度は、昨今の教育系学部志願者や教職希望者の減少に危機感を抱き、独自の支援策として開始に踏み切った。竹森 勝俊代表理事は「教育は国家百年の計。日本の教育を支えるためのこの制度が志を持つ学生の挑戦する勇気を生み出すよう継続的な支援をしていきたい」とのコメントを発表している。