早稲田大学が1989年より実施している大学見学ツアー「早稲田大学キャンパスツアー」の参加者数が、累計で40万人を突破した。
早稲田大学キャンパスツアーは、より多くの人々に早稲田大学に親しんでもらうため、1989年7月7日に開始した大学開放の取り組みの1つで、2025年度で36年目となる。2024年度は約1万9千人が参加し、参加者の累計が40万人を超え(早稲田キャンパス・戸山キャンパスのみの集計)、国内で最大規模の大学見学ツアーとなっている。
現在では様々な大学で実施されている大学見学ツアーだが、1989年の開始当時、日本では初めての試みで、現役学生がツアーガイドをつとめ、早稲田大学の歴史や見どころを直接案内するということで評判となった。ツアーガイドは学生ボランティアではなく、大学が賃金を支払う形の「スチューデント・ジョブ」形式。約半年に及ぶトレーニングを経て、高校生・中学生やその保護者、校友(卒業生)、海外旅行客など様々な参加者を相手にプロのツアーガイドとして大学の魅力を伝える。
コロナ禍にはツアー存続が危ぶまれたが、ツアーガイドたちがアイディアを出し合いながらこの苦難を乗り越え、英語でのツアーも常設するなど、今では海外からのツアー参加者も多い(2024年度は英語ツアーに約1,100名が参加)。
キャンパスツアーは、早稲田キャンパスをはじめ、戸山キャンパス、西早稲田キャンパス、所沢キャンパスでも学生ガイドによるツアーが行っており、各キャンパスの雰囲気や環境の違いも見て回ることが出来る。早稲田大学ホームページから申込可能で、10~80名までの団体向けの「団体ツアー」は、ツアー希望日の1か月前~1か月前まで、授業実施期間の土曜日に実施する少人数向け「定期ツアー」は60日前から予約を受け付けている。
<ツアーコース概要>※一部抜粋。コースは変更になる場合あり。
◆早稲田キャンパス(約60分):
正門 →3号館(政治経済学術院)→国際文学館 →演劇博物館 →14号館内(社会科学総合学術院)→14号館・15号館(教育・総合科学学術院)→総合学術情報センター →中央図書館 →22号館 →11号館(商学学術院・国際学術院)→8号館(法学学術院)→大隈銅像 →大隈記念講堂 →早稲田大学歴史館
◆戸山キャンパス(約45分):
正門 →教旨前 → 早稲田アリーナ →戸山カフェテリア →戸山図書館 →34号館 →33号館 →ミルクホール・生協戸山店 → 戸山の丘、ラーニング・コモンズ →学生会館
◆西早稲田キャンパス
工作実験室→材料実験室→正門→理工学図書館→中庭→アトリウム→物性計測センターラボ→環境保全センター→理工カフェテリア→理工学基礎実験室(物理・化学・生命科学系)→ホワイエ→62・63号館→理工学基礎実験室(工学系)→情報ギャラリー
◆所沢キャンパス
所沢総合事務センター→図書館→大隈重信胸像→1階ホール→視聴覚教室→212教室→学生食堂→端末室・スタジオ→G棟(研究棟)→実験生物慰霊碑→織田幹雄記念陸上競技場→多目的グラウンド→自然環境調査室→BBQ場→101号館→学生共同利用棟→スポーツホール→アクアアリーナ→早稲田大学生協所沢店
早稲田大学は創立150周年(2032年)に向けた中長期計画「Waseda Vision 150」を推進しており、学生の教育・研究への積極的な参画を重要な戦略の一つとして掲げている。キャンパスツアーガイドもこの戦略の一環として位置づけられ、学生が社会に貢献できる人材へと成長するための「成長の場」として機能している。ツアーガイドの活動を通じて、学生自身が大学の魅力を再発見し、参加者にとっても早稲田大学への理解と関心を深める貴重な機会となっている。