明治大学の生涯学習機関「明治大学リバティアカデミー」は、2019年10月5日、創設20周年を記念し、秋期公開講座「国宝・『漢委奴國王』金印真贋論争を終結する!」を開催する。
地域社会に開かれた大学を目指す明治大学では、「社会への知の還元」を目的に生涯学習の拠点「リバティアカデミー」を整備・運営している。2019年は「リバティアカデミー」の創設20周年を記念した特別講座を多数開設しており、今回の秋期公開講座もその一環。
講座テーマとなる「漢委奴國王」金印は、紀元後57年、「倭奴国」が漢王朝の皇帝に「奉貢朝賀」した際に与えられたもので、日本列島の住民が大陸の強大な権力と直接本格的な政治交渉を開始したことを証明する重要な歴史資料であり、国宝にも指定されている。一方で、この金印は、江戸時代以来繰り返し偽物説が提出され、近年も、金工技術・古代文学の2分野の研究者から江戸時代の贋作によるものだと強く主張されてきた。しかし、2010年11月以来、本格的に考古学的な分析を進めた結果、印面文字は後漢初期の特徴が明確で、金属組成やサイズ、鈕の形も後漢代のものだと証明できたことで真贋論争は終結したといえる。講座では、この金印の検討結果の詳細などについて紹介する。受講料は無料、リバティアカデミーのサイトから事前予約制(先着800名)。
今後、明治大学リバティアカデミーでは、2019年10月12日に「渋沢栄一にみる企業家的資質の形成・発揮と経営理念」、10月26日に「登戸研究所と秘密戦:戦争の記憶を未来に活かすために」など、創設20周年を記念した特別講座が企画されている。
参考:【明治大学リバティアカデミー】19270001 【リバティアカデミー20周年記念オープン講座】国宝・「漢委奴國王」金印真贋論争を終結する!